2009年08月14日

2009・週刊少年ジャンプNo.29


週刊少年ジャンプ・作品評価
アイシールド21
作品名:アイシールド21

シナリオ:5
デザイン:5
構成力:8
世界観:2

※シナリオとデザイン、構成力と世界観は一対。
合計で必ず10になります。
※数値が高い方が優れているというわけではなく、
特色が強いということです。


 今号でアイシールド21が終了しましたので、評価しておきます。

 この漫画も読切→連載にいたった漫画ですが、野球やサッカーとは違い、
アメフトという日本ではマイナーなスポーツを取り上げて成功した、
ジャンプでは稀有な例です。
原作、漫画でそれぞれ担当を分けたのが、少なからず功を奏したのでしょう。

 高校スポーツを舞台にしているので、それほど非現実的な展開は描き難いですが、
常識はずれの特訓があったり、制限内で面白くする工夫はしていました。
個性的なジャンプの漫画の中ではおとなしい方でしたが、それは仕方ないでしょう。

 構成に関しては、緻密に計算された作りに仕上がっていました。
アメフト素人である主人公が日本一を目指す過程を、順を追ってうまく表現し、
自然なストーリー、登場キャラ、時にはギャグで盛り上げていきました。

 アメフトというスポーツを、格闘技やバトル漫画並みの迫力で描けていました。
構図も工夫し、ボールを取るシーンやライバルをランで抜くシーン等、
フィニッシュ部分を特に重要視して、こだわりを持って描けていました。

 セナが招待をばらさないように、偽りのアイシールド21で戦い抜いたり、
本物のアイシールド21は誰なのか?それを目指すセナの心の葛藤等、
ストーリーも工夫し、読者に先の展開を楽しみにさせる仕掛けも充実していました。

 完璧すぎる漫画といっても過言ではないですが、
それがネックになっていた部分もありました。

 連載当初からのファンは最後まで読んだと思いますが、
完璧すぎるために、途中から読み出す人が入り難かった面もありました。
題材がアメフトというマイナースポーツの影響もあり、
やはり連載途中からは、アメフトを知らない読者は読み難かったでしょう。

 キャラ目当てで読み始めたミーハーなファンも、代わり映えしないキャラばかりで、
途中で飽きて他の漫画に移っていったパターンも見られました。
読者に媚びる必要はないですが、もう少し工夫も必要だったと思います。

 ともあれ、アニメ化までした漫画なので、十分成功した漫画といえるでしょう。
この原作・漫画のコンビで漫画を作ることは、もうないかもしれませんが、
早くお互い新しいパートナーを見つけ、次回作に期待したいところです。

黒蜜様 参る!
 JG1読切祭(ジャンプグレードワンよみきりフェスティバル)、エントリーNo.3。
やっぱこういう企画は、後になるほどレベルが低くなってくるような気がする。
バクマンでも金未来杯でそういう仕組みだと説明していたが、こっちも当てはまる。

 ギャグ漫画かこれ?
黒蜜とじじいがワンパターンのギャグを繰り広げて、女がツッコミを入れる。
それが永遠と繰り返され、笑える場面は一つもない。

 ストーリー的にも、何も見るべき点はない。
先を期待させる展開もなく、ただ没落した旧将軍家が、
埋蔵金を探しに各地を転々とするだけで、発展性に乏しい。

 主人公が実は強かったですという展開も、単純すぎる。
バトルシーンも何も見所なく、たいした殺陣もなく、
魔法よろしく、ばったばったとザコを片付けていくだけ。

 どれも中途半端で、何が訴えたかったのかも伝わってこない。
作業で、期日に間に合わせるべく読切を仕上げたといった感じだな。
荒くてもいいからもう少しメインのテーマを考え、伝える手段を工夫した方がよい。


ぬらりひょんの孫
 ぬらりひょん(現在のじじい)の若い頃と、その孫(主人公)の姿が
ほとんど一緒だから、頭の悪い低脳層の読者は、
その違いに気付かず、ごっちゃにしてこの漫画を読んでいるだろうな。

 まあ低脳層はバトルの派手さとキャラのカッコよさにしか、
漫画の存在価値を見出してないから、ストーリー的な要素と、
漫画の構成や伏線など、はっきりいってどうでもいいんだろうけど。

 『四国』という括りが出てきた時から、メインは京妖怪だと思っていたが、
こんなに早くメインを投入してくるとは思わなかったが、
この漫画も掲載順位が芳しくないから、もったいぶってはいられないのだろう。

 まあ、ぬらりひょんの頃からの因縁の相手というわけで、
本編の孫vs羽衣狐の盛り上がりを演出しているわけだが、
過去編をうまく利用するのは、ジャンプ漫画の常套手段だな。

 それにしても、ぬらりひょんが羽衣狐に切りかかって、
羽衣狐の部下が庇うシーンは、印象的な描写が効果的にできている。
この絵の描き方は妖怪の怖さを引き立て、この作者にしか描けない手法だな。

 その凄さが分からない低脳層は、本当にめでたい人種だ。


アイシールド21
 打ち切りではなく、めでたく終われる漫画はセンターカラーで終わる。
まあアイシールド21は終始安定した順位を維持し、ストーリーも一貫していた。
始めから終わりまで、作者が伝えたいことをしっかりと漫画にできていた。

 大学時代のバトルも見たかったが、もう既にセナが成長しているので、
アメフトとともに成長してきたセナが、この漫画の主軸だったわけだから、
これ以降は描く意味がないというのもあるし、非常に名残惜しい。

 まあジャンプの有名漫画はほとんど復活しているから、
(キャプテン翼、北斗の拳、キン肉マン、男塾等)
この漫画も5年後、10年後くらいに別の雑誌で復活する可能性は高い。

 ジャンプでは、キャプテン翼以来のスポーツ漫画のヒットだったな。
(テニスの王子様はギャグ・キャラ漫画なので、スポーツからは除外)
ジャンプではバトルに比重が大きいから、もっとこういう漫画が出てきてほしい。

 キャプテン翼は、翼の純粋なサッカー愛を主軸に描かれていたが、
アイシールド21は、いじめられっ子だったセナがスポーツを通して、
徐々に成長していく姿が克明に描写されていた。

 こういう成長系のスポーツ漫画を描く作者は多いが、多くが打ち切りになっている。
この漫画が成功した要因は、ヒル魔が悪魔だったり、まもりが極度の過保護だったり、
ライバルである進がストイックだったりと、脇役が非常に個性的だった。

 これら脇役が固めて、セナの成長する姿がストレートに描かれていた。
他に色気を出したりとか、軸がぶれなかったのがよかったのだろう。
これは一見簡単なようで、非常に難しい取り組みだったと思う。

 何はともあれ、終わって惜しい漫画は近年では非常に珍しい。
両作者には、本当にお疲れ様でしたと言いたい。
posted by 俺 at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊少年ジャンプ
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